海外での美容整形、メリットとデメリットは?

海外での美容整形、メリットとデメリットは?

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海外で整形するのはあり?! メリット・デメリットを形成外科専門医を解説
渡航規制も徐々に緩和されてきた今、海外で整形することを検討する人も少なくありません。
とくにコロナ禍以前より人気が高かった韓国では、入国者へのPCR検査が廃止されたこともあり整形目的の渡航も増えています。
とくに人気の高い韓国の事情を中心に、海外で美容整形を受診するメリット・デメリットについて銀座マイアミ美容外科の丸山院長が本音で解説します。

これだけ日本に美容整形クリニックが増えているにも関わらず、海外で美容整形する人が増えています。わざわざ渡航費をかけてまで海外で受診するその訳は……?

旅費を入れても安い? 韓国が人気の秘密とは

渡航先として一番人気な韓国。その最大の理由は「安さ」です。韓国では美容整形をするのはごく当たり前という風潮があるため、クリニック数も多く価格競争も激しいのです。コロナ禍以前はとくに日本よりも割安に手術できるところが多く、宿泊費や宿泊先を入れたパック料金を用意しているクリニックも少なくありませんでした。日本人を多く施術しているクリニックでは通訳も用意しており、渡航時に言葉が通じないということもありません。
……とは言われているものの、よい話ばかりではないようです。そのデメリットやリスクについて解説していきましょう。

通訳がいても、希望が通らない?!

日本人を多く受け入れているクリニックには必ず通訳がいて、医師とのやり取りはもちろん、滞在時に何かあった際はいつでも相談に乗ってくれるそうです。通訳兼カウンセラーのような役割ですね。
ただ、その方たちの多くは韓国人。美容整形のトレンドや施術方法について、韓国の事情はよく知っていても日本の状況についてはあまり詳しくないことが多いようです。そもそも同じモンゴル系統の体型・顔立ちとは言っても、韓国と日本では文化や好みが少しずつ異なります。
日本のトレンドに合わせて「忘れ鼻にして欲しい」と伝えても、「すっきりと細い鼻のほうが美しくなれますよ」と極端に細い鼻筋にされてしまった人もいたとか。アゴの修正も同じく、日本ではプロテーゼやヒアルロン酸注入といったメスを使わない施術を提案するところを、韓国のクリニックでは骨切りを含む大きな手術になりがちという声もあります。韓国のアイドルはアゴが細く尖っているので、それを理想型とした提案がされがちなんでしょうね。

韓国のトレンドが大好きで、それと同じような仕上がりを求めているのならいいのですが、日本で好まれる「整形したかどうかわかりにくい、自然な仕上がり」を求めている場合には、また、そのオーダーが通りにくいこともあるというリスクを理解しておきましょう。
以前鼻の整形を直しにきた患者さまの中に、ご自身が知らない間に胸の骨を取られて鼻に入れられていたということがありました。これも直接ネイティブに会話できないことなどによるトラブルの一つと言えるのではないでしょうか。もちろん、術前にご自身が納得した上での手術方法であれば問題ないのですが……。

医師の手腕は件数だけでは図れない

韓国では「経験豊富な医師在籍!」といったキャッチコピーもよく目にします。美容整形がポピュラーな韓国では、件数も増やしやすいのかもしれません。ただ、私から見れば「施術件数が多い=腕が良い」というわけでは決してありません。そもそも、美容整形は日本の方が古くから行なわれており、以前は韓国の医師が来日して勉強している時代もありました。つまり、日本のほうが美容整形に関する歴史・経験値が豊富とも言えるのです。

美容整形はどこまで変化させるか、どんな施術を組み合わせれば最も理想的な仕上がりになるかをセレクトする“センス”が問われる医療行為。患者さま一人ひとりの体質や体型、全体のバランスを見ながら、最良のアプローチを模索する必要があるのですが、センスや情熱がない医師が万人に同じアプローチを取ったり、無難な方法だけで留めておくといったケースも散見されます。いわば、ブロイラー的に決まり切った施術しか行なわないのですね。その結果、ダウンタイムが終わっても思ったような結果が出なかったり、逆に効果が大きすぎて引き攣れや凸凹が生じてしまった……というご相談も少なくありません。

私たち銀座マイアミ美容外科では、このような「思ったような仕上がりにならなかった」方のために各種修正もお引き受けしています。安いと思って施術を受けても、後で修正手術が必要になってしまってはトータル金額がかえって上回ってしまいますよね。納得できる力量を持った医師かどうか事前に把握するためにも、医師との術前カウンセリングはマストだと考えています。
韓国でも術前カウンセリングを実施しているところはあるのでしょうが……渡航費をかけて「やっぱりここはや~めた」という選択はしにくいのではないでしょうか?

抜糸する病院は別に探す必要が? アフターケアが受けにくいのもデメリット

何より、私が一番言いたいのは「美容整形はそのとき1回の手術で完結するモノではない」ということです。
美容整形の手術時間は30分程度で終わる簡単なものから数時間以上かかる内容まで様々ですが、入院して治療を続けるということはほぼありません(性転換手術など、非常に高度で経過観察が大切なものを除きます)。骨切りを含む大きな手術であっても、ある程度お休みいただいて問題なさそうであればお帰りいただき、翌日以降に経過観察をすることになります。韓国で手術した場合も翌日の経過観察はありますが、これはあくまで「行なった施術が生命にリスクを及ぼしていないか」、「回復傾向に向かっているか」のチェックです。腫れや出血などはまだ続いていますし、本当に最低限のチェックと言えるでしょう。

基本的に、抜糸は1週間以降でなければできない(傷口が十分に塞がっていない)のですが、そこまで滞在するとお金がかかってしまうため、「抜糸は日本の病院でやってもらってね」と言われることがほとんどです。しかし今はコロナ禍もあり、一般的な外科・内科といった病院が紹介状無しの飛び込みで抜糸をしてくれることはほぼありません。そもそも、自身が行なっていない縫合なので、どんな縫い方をされているのか、抜糸できる状態にあるのかといった責任をきちんと負えません。最近では、美容整形クリニックでも他院の抜糸をお断りするところが増えています。引き攣れのような状態になっているのは手術のやり方のせいなのに、「抜糸が原因で引き攣れた!」とクレームをいただくトラブルが後を絶たないからです。運良く抜糸できるクリニックが見つかったとしても、保険適用外のため抜糸だけで数万円かかることも珍しくありません。

さらに、フェイスライン修正や脂肪吸引、二重形成などあらゆる手術において、完成形に近づくのは数ヶ月以上後のこと。完全に拘縮がなくなるまで1年近くかかる方もいらっしゃいますし、施術を受けたことで“満足した生活を送れているか”を見届けることも私たちの大切な役目だと考えています。ですから、経過観察とともに完成までの不安をご相談できる場が「アフターケア」なのです。銀座マイアミ美容外科の場合、術後チェック(アフターケア)は1週間後の抜糸、1ヵ月後、3ヵ月後、そして内容によっては1年後まで無料で実施しています。このようなアフターケアを、わざわざ渡韓して受けに行くことはできるでしょうか? スケジュールを組むことはもちろん渡航費用もバカにならないでしょうし、おそらくアフターケアはまったく受けないままという方がほとんどでしょう(中には、次の異なる施術を受けるついでにチェックしてもらう……という方もいらっしゃるかもしれませんが、それも頻回に行なうのは難しいでしょう)。
実は、術後のトラブルというのはどのクリニックでも起きうることです。しかしその内容や解決策はクリニックによって千差万別です。だって、医師にとっては「命に別状がないから問題ない」と捉えても、患者さまにとっては「理想の仕上がりにならないから医療ミスだ」と捉えるような、まったく噛み合わないトラブルだって想定できるのですから。だからこそ、医師と患者さまのコミュニケーションというのは本当に大切なのです。

国内であっても他院実施の施術に被せた施術(修正など)をするのは受け入れたがらないことが多いのが実情。出血や意識障害を伴うような緊急性のあるアフターケアが必要な場合もある中で、医師と直接コミュニケーションがとれる、しかもリアルタイムでいつでも、というのは重要です。1時間でも時差があったり、言語のすれ違いがあるだけで、細かなニュアンスを伝えるまでに時間がかかりますし、その間に急変することだって十分考えられます。症状や病態によっては、日本に支店があっても受け入れを断られるケースもあるようです。私ならそんなリスクを冒してまで「コスパ」を取るのはどうかな?と思います。
まとめ
海外であれ、国内であれ、美容整形を検討する際に気をつけるべきポイントは2つ。
① 日本でも海外でも、自分の要望に対してスケジュール感や生活背景までしっかり工夫して提案してくれる先生、クリニックかどうか?
② 国内のクリニックでもアフターフォローをしっかり実施しないところもあるので要注意

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