不幸の道へ一直線?! 「こんな患者はイヤだ!」医師が語る、ここだけの話

不幸の道へ一直線?! 「こんな患者はイヤだ!」医師が語る、ここだけの話

気軽に学べる「美容医療」 公開日: 最終更新:

これまで美容外科に関する正しい知識をお伝えしてきた当記事ですが、今回はちょっと趣向を変えて「医師から見た、診察したくない患者」について、医師のホンネを激白! 普段は聞けないような毒舌が炸裂します。
とは言っても、そこは院長、丸山。厳しい言葉の裏には、理想の治療を受けるためのコツが込められています。医者が診たくない患者とは一体……?

こんな人は不幸になる――。調べすぎて沼にハマっている人

イヤな患者というよりも、「こういう人は不幸になるな」と逆に心配になってしまうタイプがいます。その最たるのが「何を言っても聞いてくれない患者」です。
美容整形を何回も受け続けて素顔がわからなくなっている「整形沼」、手術回数は少ないもののあちこちのクリニックでカウンセリングを受けまくる「カウセ沼」など色々ですが、共通しているのは“自分なりの筋道に執着しすぎている”ことです。

がんばって勉強(下調べ)しているのはいいのですが、逆にそこで得た知識に固執し、「自分は絶対にこの施術をしないといけない!」と言い張り、何を言っても聞いてくれないのです。
しかし、ネットでいくら調べて詳しくなっても、それが当人や症状に最適なアプローチとは限りません。私たちは医師ですから、人体の構造の基礎を全て網羅し、これまでの経験値と知識を踏まえて最適なアプローチを提示しています。来院される患者さまは医学的には素人(医師免許は持っていない)ですから、自分の考えだけに囚われているということは誤った情報に振り回されているのと同じで、いつまで経ってもゴールにたどり着けないことがほとんど。正しい方向性に導くために医師がいるので、ある程度は我々の意見を信じてほしいですね。

専門用語をまくし立てても、基礎知識すら間違っている残念な患者

ちなみにこのような患者さまは、鼻・目・痩身と施術カテゴリを問わずいらっしゃいます。
「先生、私は外側鼻軟骨のACRを出すためには○○が適応だと思います!」というように、いかにもな専門用語でまくし立てる方がいらっしゃいますが、そういう方ほど鼻中隔軟骨と混同していたりと基本的な知識が間違っていることも少なくないです(笑)。

そもそも、全身のあらゆる構造に精通している証しである形成外科専門医でも、謎や不明な点がまだまだ多い分野なのが美容外科。何十年も美容外科医として働いていても、美容外科分野全てを網羅し、マスターしている医師は少ないです。まして診察経験のない方が客観的に自分の身体について把握し、理想に対する回答を出すのは不可能に近いでしょう。

前述の“最近の術式に詳しく、専門用語をちょっと知っている人”の中には、複数治療を組み合わせたほうが良いと言い張る方もいらっしゃいました。でも結局、他院で手術(ご自身が最適と考えていた複数治療)した後に、銀座マイアミ美容外科へ修正依頼にいらしたりするんですよね。

いくらネットで最新の情報を調べまくり、術式の種類に詳しくなったとしてもそれはそれ。自分に最適な治療法を知るには、ある程度、医師に判断を託すようなことも必要だと思います。

カウセ沼にハマり、いつまでも手術を受けられない残念な患者

残念な人と言えば、カウンセリング40~50枚ものA4レポートを持参される方もいらっしゃいます。医師やクリニックの診断書・見積書ではなく、ご自分でがんばってまとめられたレポートを、ですよ? そして「A院では○○が適応と言われましたが、B院では××を進められました。でもC院のこの術式の方が、ダウンタイムが少ないのでメリットが大きいのではないかと思うのですが――」と、とにかくご自身の知る限りの知識をこちらにぶつけてくる。

私も一生懸命、最適なアプローチを提案するのですが、そういう患者さまに限って1時間言いたいことだけ言って、「勉強になりました」と予約もなにもせず帰って行くのです。カウンセリングを塾か何かと勘違いしているのでしょうか……?(笑) 銀座マイアミ美容外科では医師によるカウンセリングも無料としているので、そういう勉強好きな人には便利な存在なのかも知れませんが、正直たまったものではないですよね。述べている内容も誤った情報であることも多いですし、むしろいたたまれない気持ちになります。

2年前にもそんなカウンセリングを何回もした患者さんがいらしたのですが、フッと姿を見せなくなりました。「どこかで自分の納得できる治療を受けられていると良いな」と思っていたら、先日2年ぶりにその方がカウンセリングにいらしたのです。他院修正の相談かと思ったら……なんと、まだ何も手術していなくてビックリしました(苦笑)。
調べて最善を追求しようという、その努力はすごいと思いますが……様子を見ていると、満足感も幸福感もなく、勉強しているようで勉強していないように見受けられます。正直、それだけの時間と労力をかける余裕があるなら、さっさと手術を受けてみた方が良いと思います。

こんな人いるの?! 勘違い系の迷惑患者

ここまでご紹介してきたのはどちらかというと残念、かわいそうに感じてしまう患者さまのタイプでしたが、とにかく迷惑な患者さま(さまを付けるべきかも迷いますが……)もたまにいらっしゃいますよ。
例えば、金を払わない人。まさかと思うでしょうが、手術をしたのにあれこれ難癖を付けたり、なんだかんだと支払いを渋るのです。銀座マイアミ美容外科は修正手術もかなり柔軟に対応(無料で修正することも少なくありません)しているので、仕上がりに対するご意見はしっかり受け止めますが……手術代金を無料にしろというのは、よほどの事故でないと無理ですね。

また、料金は支払うけれども、1~2回手術しただけでものすごく常連面をする方もいらっしゃいます。「いつも利用しているんだから、たまには常連価格で安くして」というように、値切って当然という態度で過剰な要求をされるのです。1~2回で常連というのはどうなんでしょう。

ちなみに当院では基本的にインフルエンサーの「サービス治療」は無償・割引問わずお断りしています。インフルエンサーという職業ではなく、SNSや動画で紹介するからという価格交渉がNGなのです。ヤラセのような告知を取らなくても十分に患者さんはいらっしゃいますし、自称インフルエンサーに頼る集客は信ぴょう性や効率などの面でリスクが高いのではと考えているからです。

良い患者になる=理想の姿への早道

美容外科手術はお金も労力(ダウンタイム)もかかりますし、色々迷って躊躇してしまう気持ちはわかります。
でも、例えば投資もリスクが全くない商品はあり得ませんよね。それを理解し、堅い商品であっても多少リスクがあることは承知でお金をかけるはずなんです。美容外科は標準治療がないため、医師選びが難しいのは確かです。

ただ、それを心配しすぎて調べてばかりだと正しい判断すらできなくなってしまうため、勉強もほどほどにしましょう。
SNSや検索で調べた座学より、実践している専門家を利用して「自分にとっての最良の方法」を探せるのが、良い患者です。情弱はいけませんが、情弱にならないよう間違った方向にがんばりすぎるのも不幸です。

医師にとってやりやすいのは、カウンセリング時に理想の写真(アイドルや友だちなど何でも構いません)を数枚見せ、仕上がりイメージを伝えて任せてくれる方。完成形のイメージを共有できることで、個々のベストアプローチが見つかりやすいからです。ただし、この方法は医師としっかり事前カウンセリングができて、技術力もある美容外科の場合に限ります。いくらカウンセラーに理想を伝えても、医師には伝わりませんのでご注意を。

まとめ
心配がつのり、あれこれ調べすぎたり勉強しすぎるのも考えもの。適度の情報収集をして疑問点を尋ねる程度に知識を付けたら、あとは理想の完成形を医師と共有し、アプローチは専門家に任せるのが早道です。

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