自己診断は危険! クマ、目袋、ゴルゴ線の違いと対処法

自己診断は危険! クマ、目袋、ゴルゴ線の違いと対処法

気軽に学べる「美容医療」 公開日: 最終更新:

クマ、目の下の膨らみ、たるみ、ゴルゴ線。美容への意識が高いあなたなら、どれも老けて見える原因であることはおわかりでしょう。でも、自分ではクマと思っていても診察するとゴルゴ線と言われるなど、実は間違っている人も少なくありません。目周りのお悩みについて、その違いと対処法を医師目線からご説明します。

黒クマ、茶グマ、色素グマ。原因が異なるクマは一種類ではない

目の下が沈んだ色味になってしまうと、老け顔なだけでなく疲れて見えてしまうのも悩ましいですよね。でもクマは1種類ではなく、その種類によって対処法も異なります。
眼窩のふちにできる黒い影を指す「黒クマ」。主な原因は加齢によって眼輪筋の密度が少なくなり、眼窩脂肪が皮ふの表面に押し出されるため。これにより目の下の膨らみである目袋の下に影ができ、「黒クマ」となります。人によっては皮ふのたるみを伴うこともあり、ゴルゴ線のようになってしまう人もいます。
外的刺激が原因などで、目元が茶色く色素沈着しているのは「茶グマ」。これは皮ふ科やスキンケアでも対処できるもので、防ぐにはアイメイクを控えたり、花粉症や結膜炎などをしっかり治療して目元をこすらないようにすることも大切です。
元々の皮ふの色が薄く、眼輪筋の色が透けているのは「色素グマ」(赤グマ、青グマ、紫グマと呼ばれることもあります)。血行不良も一因なので、温めたりマッサージをする、脂肪注入するといった治療法があります。
このように、クマと言っても様々で、それぞれ対処法が異なるのです。

どこからどこまでがゴルゴ線? 体質的な問題で起こりやすいのがゴルゴ線

目頭のたるみから、頬にかけて走った線が「ゴルゴ線」と呼ばれます。中には目袋のクマと繋がっている人も。
目頭のたるみ、目の下のくま、ゴルゴ線は、それぞれできる原因も異なります。
鼻筋と眼輪筋の境目には元々凹みがあります。涙が流れた際に通るティアーズラインと呼ばれる部位で、眼窩脂肪が押し出されると目頭のたるみとなり、凹凸が強調されて黒クマが目立ちやすくなります。
眼窩にある皮ふと骨をつなぐ靭帯は固く動きません。靭帯の上下は柔らかな脂肪で包まれているため、加齢によって靭帯を挟んだ脂肪が膨らみ、靭帯の部分がくぼんで段になります。糸で縛られたボンレスハムを想像いただくと、イメージがつきやすいでしょうか。これが目袋のクマです。頬も同様に靭帯があるため、その部分が凹んでゴルゴ線になります。
これらは加齢も関係しますが、ご自身本来の体の構造や体質の影響が大きいです。靭帯が強い人や筋肉の境目がはっきりしている人は黒クマが、眼輪筋や皮ふが薄く、眼窩脂肪が押し出されがち人は目袋のたるみができやすい傾向が。色白の人は色素グマが出やすく、いくら気をつけていてもゴルゴ線ができてしまうのです。

ゴルゴ線は状態によって治療のレベルが変わる!

ゴルゴ線の治療は様々なレベルがあり、程度によって治療法が異なります。個人差が大きいので、自己判断せず医師の診断を仰いで方法を選びましょう。

・ヒアルロン酸注入
最もライトな方法ですが、根本治療ではないため一時的なケアとなります。

・脂肪注入
ヒアルロン酸注入の次が脂肪注入。本来の病態を治しているわけではないものの、ヒアルロン酸注入よりは長く効果が続きます。ただし老化に伴い、脂肪注入した部分がしこりになることもあります。

・ハムラ法
元のきれいな状態まで戻すなら、根本から構造を治すハムラ法の検討も。余っている脂肪を足りない部分に移動させる手術です。骨から靭帯を剥がして凹みづらくさせ、目頭の筋肉の境目の部分に脂肪を引き込んで段をなくしていきます。さらに脂肪を包む膜にハリをもたらし、たるみも解消。皮ふを切開する表ハムラ法でも、たるみは取れます。
目尻を吊ると一時的にクマができづらくなるため、ハムラ法と糸リフトを並行して行うクリニックもあります。しかし必ずしも全員に必要な処置ではないため、銀座マイアミ美容外科では術後の状況を見て、糸リフトをするかどうか判断するようにしています。

これまではマスクで顔の下半分が隠せていましたが、アフターコロナでマスクなし生活に戻った今、ゴルゴ線があることで、老けて見える、元気のない顔に見えることを気にされる方が増えています。そのためゴルゴ線の認知度は男女ともに高まっており、銀座マイアミ美容外科でも以前より男性の患者様がよくお見えになっています。

まとめ
状態とそれを指す用語をちゃんと把握することが、納得のいく治療を施してもらえる第一歩。医師に気になっている部分を適切に説明し、若々しい表情を取り戻したい。

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