冬こそおすすめな二の腕対策、実は医師の技術力の差が出やすいのでご注意

冬こそおすすめな二の腕対策、実は医師の技術力の差が出やすいのでご注意

気軽に学べる「美容医療」 公開日: 最終更新:

服装や防寒具でダウンタイムを隠しやすい冬は、脂肪吸引で来院される患者さまが増える季節。とりわけ二の腕は、冬の間に施術しておけば来夏までに仕上がりが見込めるとあって人気です。気になる振り袖肉を速効で撃退する「二の腕脂肪吸引」について深掘りしてみました。

取る量は少ないけれど……実は難易度が高い“二の腕”

吸引量が少ないため、費用も身体の負担も少ないと言われている二の腕の脂肪吸引。その割に見た目の変化が大きいことから「脂肪吸引をしてみたいなら、まずは二の腕」と言われることもありますが、簡単で手軽な治療と考えるのは早計かも。

「二の腕の脂肪吸引は非常に凸凹しやすく、茶色く色素沈着したり、取り過ぎると肩の三角筋が目立ってしまうなど、執刀側からすると神経を使う場所。脇の下は神経や血管も集中しているので、それらを傷つけないようにしなければならないなど、実は難易度が高い手術です。朝、スケジュールを確認したときに二の腕脂肪吸引の予定が入っていると『今日は疲れる日になるぞ』と、正直気分が重くなることもあるほどなんです(苦笑)」

繊細なデザインと技術力が求められるだけでなく、例えば二の腕の振り袖部分だけ脂肪吸引をしてしまうと肩の付け根が盛り上がって見えやすくなってしまうなど、脂肪を取る範囲にも注意しなければいけません。
「隣り合った箇所を取った方が、一部分だけ盛り上がることが避けやすいため、銀座マイアミ美容外科では『うでまわりすっきりセット』(\495,000・圧迫着込み)というセットメニューを用意しています。これは二の腕(ひじ上)・肩(上腕の付け根近くの外に張り出す部分)・付け根の3箇所から吸引する内容で、価格はもちろん効果が出やすいため患者さまにとっては非常に良い部位、メニューだと思います」

クリニックによってはこのようなセットメニューが用意されておらず、二の腕だけ脂肪吸引することで上腕だけが細くなり、かえって関節や肩周りがごつく見えることもあるので気をつけましょう。また、中には「二の腕」と言いつつ振り袖しか適応しないクリニックもあるようです。その場合、振り袖肉は取れても腕の張り出しは解消されてないため、思ったより見た目の変化が少ないこともあり得ます。

二の腕の脂肪吸引、よくある失敗や他院修正例とは?

銀座マイアミ美容外科の場合、痩せ型は100cc、普通の体型で150cc、がっちり体型だと200ccほど(すべて片腕の量)が、平均的な吸引量です。肩や付け根も取ると総計で500ccほど取れる人もいらっしゃいます。
美容外科で手術をするからには、とにかく極限まで吸引してほしい……と考えるかも知れませんが、二の腕に限らず体型(フォルム)に合わせて均一に脂肪が取れないと凹凸した仕上がりになりますし、薄く取れなかった場所が茶色く変色するリスクが残ります。さらに吸引量が大きすぎると皮ふが余ってシワシワしてしまうケースもあります。それらのギリギリのラインを見極め、きれいに仕上げるのが技術力なのです。

「他院修正などでよくある失敗としては、ひじ周りを取り残してボコついてしまうという例があります。二の腕の脂肪吸引はひじと脇付近から吸引するのですが、振り袖ばかりに気を取られてひじ周りをしっかり取らない医師がいるんです。するとひじ周りだけが出っ張ったような見た目になってしまいます」
そのほか、左右差が出て修正してほしいという依頼も少なくないとのこと。これらはすべて経験値によっても差が出やすいので、医師の見極めも大切です。

なお、銀座マイアミ美容外科では基本的に前腕(ひじ下)の脂肪吸引はやりません。前腕は筋肉、神経、血管がコンパートメント(小部屋)に別れて密集しており、脂肪吸引をすることで腫れ上がって圧力が増し、血管や神経がダメージを受けてしまう可能性があるからです。その状態が長引くと、手が麻痺(フォルクマン拘縮)してしまいます。ですから二の腕が細くなったのに合わせてひじ下も細くしたい……といった要望があっても、安易にすすめません。

ダウンタイムはどれくらい? 術後に気をつけたいことは?

気になるダウンタイムですが、二の腕の場合は吸引量の大小に関わらず、指先までむくむ人がほとんど。手のひらがクリームパンのようになってしっかり握ることができなくなることもあるため、パソコン作業を含め手先を使う仕事はやりにくくなるので注意しましょう。ただし、このむくみは1週間ほどで徐々に解消されていきます。また、乳がんなどリンパ節の切除手術を経験しているとむくみやすいです。

吸引箇所の腫れや内出血や痛みといったダウンタイムは1~2週間くらい続きます。とくに最初の1週間は痛みが強く、その後もしばらくは引き攣れ感があるため腕が上がらない、被るタイプの服は脱ぎ着しにくいといったように動きが制限されます。激しい運動(心拍数が大きく上がる、筋肉に大きな負荷をかけるマシントレーニングなど)は2週間後からをおすすめしますが、軽い運動は翌日からおこなっても大丈夫です。

シャワーは翌日から、入浴は吸引穴(ひじ下と脇)を濡らさなければOKです。つまり、半身浴や胸くらいまでは湯船に浸かれるということですね。術後1週間経って抜糸をしたら、吸引穴を濡らしても大丈夫です。
術後、マッサージをした方が良いのかという質問をよく受けますが、痛みを我慢してまでおこなう必要はありません。インディバも良いですが、コストがかかるので無理にすることはないでしょう。そのほか、圧迫着の着用期間など気をつけるべきことは「インディバ®をしたほうがいい? 圧迫着はいつまで着る? 脂肪吸引、脂肪豊胸の正しいアフターケア、教えます!」の記事をご参照ください。

医師目線でも冬に手術するのがおすすめ?

医学的見地からは、どの季節に手術をおこなっても変わりはありません。
ただ、むくみや腫れが完全に引き、細さを実感しはじめるのは1ヶ月くらい経ってから。さらに引き攣れ感の原因である瘢痕拘縮は長い人で半年くらいあるので、冬の間に手術しておけば肌の露出が増える来夏に間に合うというわけです。
もうひとつ、術後に着用する圧迫ボレロは七分丈なので、長袖を着る冬は目立ちにくいのも冬に手術する良さです。

まとめ
肌を露出する季節に仕上がるようにするには、やはり寒いうちに手術をしておくのがおすすめ。ただし吸引箇所が小さい割に技術力が求められる部位のため、症例をしっかり見たり執刀医によるカウンセリングを受けるなど、下調べをしっかりおこない、間違いの無いクリニック選びをしましょう。

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